ほんわかかわいい、少女の成長物語。うさぎドロップ

序盤はお葬式から始まり、亡くなった祖父の隠し子を育てることになった男の話です。実質、甥と叔母の関係になってしまう、奇妙な共同生活が始まります。隠し子である少女、リンちゃんの、慎ましくも逞しい姿にほんわかしていて、そんなリンちゃんにいつの間にか感化され、気づかされることが多い日々が続きます。人に気を使うリンちゃんを心配したり、考えたり、暖かく見守る姿はすでに親の顔です。こちらまで、親目線で見てしまいます。また、巻を追うごとに、なぜか子育てする彼の姿がかっこよく思えてしまうのが、奇妙であり魅力的なところです。会社の同僚や、同じ幼稚園に通う子どものシングルマザーなどに子育ての相談をしたり、リンちゃんにしてあげられることを懸命にしている姿がいいです。また、周囲にいる人たちの暖かさにも気づかされます。こうした小さな幸せを感じつつ、毎日の二人の日常に応援したくなります。しかし、その裏側で、リンちゃんの母親の行方や、祖父が何を思ってリンちゃんと暮らしていたのか、随所に謎が散りばめられていて気になるところです。そして成長していくごとに、リンちゃんの思いが変化していく様子も見所です。